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ユダヤ研究の歴史家ラブキン氏に聞く 私がイスラエルを批判する理由

Yakov Rabkin
27.1.2026
Asahi Shimbun

「ユダヤ国家」を掲げるイスラエルを、旧ソ連生まれのユダヤ人カナダ在住の歴史家ヤコブ・ラブキン氏は「ユダヤ教の伝統に反する」と批判してきた。なぜか。紛争の背景にある国の成り立ちや思想は。詳しく聞いた。

ヤコブ・ラブキン モントリオール大学名誉教授(歴史学)

Yakov Rabkin 1945年、旧ソ連レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。カナダに移住して長年、モントリオール大学で歴史学を教える。著書に「トーラーの名において」「イスラエルとは何か」など。

――「ユダヤ国家」を自任するイスラエルを、ユダヤ人の立場から批判してきました。なぜですか?

ユダヤ教の伝統と相いれないからです。ユダヤ教は約3500年前に現在のイスラエルやパレスチナの地域で生まれた一神教で、追放や移民による離散を経て世界に広がりました。神からの言葉と戒めである聖典(トーラー)を共有しつつ、様々な人種や言語のユダヤ人が存在します。

伝統的に、離散したユダヤ人は、救世主(メシア)が訪れたときに聖地に受動的に「戻される」のであって、人間の意思で能動的に「戻る」ことは、神に反すると考えます。

対して、1948年に建国したイスラエルは、ユダヤ人が、神からの「約束の地」である聖地シオン(エルサレムの別名)に戻るべきだ、という信念に基づいた政治運動によって生まれました。政治運動は「シオニズム」と名付けられ、信奉者は「シオニスト」と呼ばれます。

19世紀後半から、主に東欧のシオニストたちが、オスマン帝国下や英国委任統治下だったパレスチナへと移住を進め、自分たちの国家建設をめざします。しかし、この地域には既に人が住んでいたので、次第に土地をめぐる争いへとつながりました。現在まで続くイスラエルとパレスチナの紛争の根幹です。

イスラエルは「ユダヤ国家」を掲げますが、正確には「シオニスト国家」であり、本来のユダヤ教とは相反するのです。

――なぜユダヤ教の教えに反する形で、シオニズムという運動が生まれたのでしょう。

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